第8章
ブログ たまのつぶやき続けたのではなく、続いていた~メンズエステ15年 |
直感が現実になった日
ボディートリートメントを学び始めてから、
手で触れるこの仕事への興味は少しずつ大きくなっていきました。
手技を覚えるというより、
触れることで相手の状態が伝わってくる感覚があったのです。
それまで続けてきた和裁も、
布を通してわずかな違和感を感じ取り、調整しながら仕上げていく仕事でした。
わたしはずっと「手の感覚」で仕事を選んできたのかもしれません。
女性向けサロンでセラピストとして働きはじめた頃、
友人からある誘いを受けたのです。
「男性専門のサロンで働いてみない?」
最初に浮かんだのは戸惑いでした。
男性専門という言葉に、どこか怪しい印象を持っていたし、
自分が関わる世界ではないとも思いました。
最初は断りました。
けれど、現実は…変わりません。
努力しても収入は安定せず、生活への不安は続いていたのです。
何度かおなじ誘いを受けるうちに、ふと気持ちが変わりました。
嫌なら辞めればいい。
一度経験してみてもいいのかもしれない。
深い覚悟があったわけではありません。
ただ、直感に近い感覚でした。
こうして男性専門の世界へと足を踏み入れることになったのです。
後になって思えば、
この選択もまた「決めた」というより自然に流れ込んでいった出来事だったのです。
このときはまだ、この仕事が十五年以上続き、
自分の生き方そのものになっていくとは想像もしていませんでした。
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