第4章
ブログ たまのつぶやき続けたのではなく、続いていた~メンズエステ15年 |
三つの産声
三つ子の妊娠は不妊治療で授かりました。
それは、喜びに満ちた妊娠生活とは程遠く
薬の副作用と、母子の状態の不安定さ、
常に流産や早産の危険があり、その度に苦しい説明を受けていた記憶が残っています。
妊娠初期から病室で安静に過ごす日々。
見ていた景色は天井と、ぶら下がる点滴袋でした。
廊下を歩くほかの妊婦さんがまぶしく羨ましく見えていました。
なぜ自分だけこんなに難しいのだろうと。
子どもが欲しいと願っていたのに、試練が多すぎると感じていたのでした。
妊娠三十週。
母子ともにこれ以上はもたないと判断され、八ヶ月で緊急帝王切開になりました。
麻酔で意識が遠のく中、
一人目の鳴き声が聞こえました。
少しして二人目。
「しっかりして、目を開けて」看護師さんの声の向こうで、
かすかに三人目の声を聞いたと記憶しています。
三つの産声を聞いて、安堵したところで意識が途切れてしまいました。
初めて三人に会ったのは「小児集中治療室」でした。
たくさんの管につながれ、体全体で呼吸している姿。
千グラムにも満たない小さなわが子に「ごめんね」としか言葉がでませんでした。
それでもなぜか、この子たちは大丈夫だと感じていたのです。
初めて抱っこできたのは、産後一週間ほど経ってからでした。
小さな体を守るように、大きなバスタオルに包まれて手渡された我が子。
胸の中にすっぽりと収まってしまう。
温かさを感じたのも束の間、体温が下がりアラームが鳴ります。
数分だけの対面でした。
「守らなきゃ」
そのとき初めて、自分が母親になったんだと実感しました。
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